Aqua Tips
No.012 大型ボンベのガス漏れを簡単にチェックする方法 - 2008.11.17
★重要事項★
WPWが運営するWPW Web Shopは県知事の許可を得た高圧ガス販売事業者として大型ボンベを取り扱っております。 販売業者の立場では『ボンベのお取扱いはボンベに貼付された注意書きに沿ってご利用ください』としか申し上げられません。 当記事は『 いちアクアリストとしてのWPWのノウハウ 』を記述したもので販売業者としての公式な情報ではありません。 当記事の情報を元にして発生したあらゆる事故・損害について、WPW及びWPW Web Shopでは一切の責任を負いませんので予めご了承ください。


大型ボンベをご利用の方から『セットしてから数週間〜2ヶ月程度しか経っていないのに残量が無くなってしまった』というお問い合わせを頂くことがあります。 セットから数日でカラになるケースではガス漏れ音やボンベやレギュレーターの結露・凍結を伴うことが多く異常を認知しやすいのですが、 2週間〜2ヶ月でカラになるケースでは音や目視で異常を認知できることは殆どありません。 このケースのガス漏れは、ミドボンとレギュレーターやアダプターのネジの締め付け甘い(緩い)場合だけでなく、 接合部分にあるパッキンが微妙にズレてしまっていることが主な原因です。

こうした微妙なガス漏れをチェックするには接続部分に石鹸水を塗って調べる方法が有名ですが、 セット時に石鹸水を塗って調べるのはとても面倒です。 WPWも小型ボンベが異常な短期間でカラになった場合にガス漏れを疑いつつ石鹸水を使うことはありますが、 最初にセットした時点で石鹸水を使うことはまずありません。

ということで、今回のTipsは『ガス漏れしていないこと』を簡単に確認する方法をご紹介致します。

STEP.1 レギュレーターを取り付ける

まずはレギュレーターを取り付けます。 大型ボンベ変換アダプターをご利用の場合はレギュレーターにアダプターを取り付けてから大型ボンベに取り付けます。 レギュレーターから先の器具は接続しないでおきます。
≫大型ボンベ変換アダプターの取り付け手順はこちら

STEP.2 レギュレーター内にCO2を充填する

レギュレーターのバルブを完全に閉じた状態で大型ボンベのコックをOPEN方向に全開に廻します。 全開まで廻して『ブシュー』と音がしなければ大型ボンベのコックをCLOSE方向に廻して閉じます。 これで、大型ボンベのバルブからレギュレーターのバルブまでの区間にCO2が充填されました。
※この時点で明らかなガス漏れ音がする場合、一旦レギュレーターを取り外してから取り付け直してください。 パッキンがズレている場合に取り外さずに増し締めするとパッキンが潰れてダメになってしまいます。

STEP.3 充填されたCO2量を確認する

圧力ゲージ付きのレギュレーターの場合は圧力計の針が動いているはずです。 圧力計の針の位置を覚えてるか付箋紙などでマークしてSTEP.4へ進んでください。

以下は圧力ゲージが無いレギュレーターの場合です。 STEP.2でCO2を充填した後に手早くレギュレーターのバルブを開いてください。 すると、プシューと0.5〜1秒程度ほど音がしてCO2が放出されます。 感覚で良いのでこの時の音と時間(秒数)を覚えておきます。 自信が無い場合はSTEP.2〜3を何度かやってみてください。 最後にSTEP.2を行ってCO2を充填した状態にしておきます。

STEP.4 ガス漏れを確認する

大型ボンベのコックが完全にCLOSEになっていることを確認し1〜2時間ほど『放置』します。
特に見張っている必要も無いので他の作業をしていて構いません。

1〜2時間後...
(圧力ゲージ付きレギュレーターの場合)
圧力計の針を確認してください。 ガス漏れしていない場合は針の位置は変化していません。 針が下がっている場合はドコからか漏れている証拠です。

(圧力ゲージが無いレギュレーターの場合)
STEP.3と同じようにレギュレーターのバルブを開いてください。 STEP.3の時と同じくプシューと放出されればガス漏れはしていません。 漏れている場合はSTEP.3より明らかに放出量が少ないか全く放出されません。

ガス漏れしていなければレギュレーター以降の器具を接続して完了です。 ガス漏れしている場合は一旦レギュレーターを取り外して取り付けなおしてください。 レギュレーターや大型ボンベ変換アダプターに付属のパッキンが潰れて変形している場合はパッキン交換が必要ですが、 見た目に異常が無ければパッキン交換の必要はありません(WPWはボンベ交換3回に1回くらいで交換しますが・・・)。

<シールテープの使用について>
ガス漏れ対策としてシールテープを巻くという方法は誤りです。 シールテープは主に水道配管などの低圧部分の気密用であり高圧ガスの一次圧がかかる場所に用いるものではありません。 CO2の配管ではボンベからレギュレーターまでに一次圧がかかり、その圧力は20℃で約5.7MPaです(大型ボンベも小型ボンベも同じです)。 家庭用水道の圧力は最大で約0.5MPaですから、その10倍以上の圧力がかかる場所にシールテープを使うことは無謀とも言えます。 また、大型ボンベの口金やアダプターのネジ部分などパッキンが使われている部分にシールテープを巻くと、 シールテープが邪魔してパッキンの締め付けが甘くなり逆にガス漏れの原因となりますので、 レギュレーターや変換アダプターはシールテープを使わずに取り付けましょう。


Aqua Tips いかがでしたでしょうか?
大型ボンベのセット時にほんの少し時間を割いてガス漏れチェックを行えば、数週〜数ヶ月でカラになって泣くこともありません。 特別な道具も必要ありませんので大型ボンベ導入・交換時にはぜひお試しください。